こんばんは!
パーソナルスタイリスト・服装心理カウンセラーの久野梨沙(@RisaHisano)です。
ファッションで人の心を知り、動かす「服装心理学®」を活用した個人向けスタイリングやスタイリスト育成、講演活動などを行っています。

起業って、結構孤独なものです。

 

周りに起業仲間はいても、全員状況が微妙に違うので完全に共感してもらうことも出来ないし、ましてや今ぶつかっている悩みに対する適切なアクションも人それぞれ。
自分のビジネスがうまくいっていないと思われるのが怖くて相談することすら憚られる…というケースも少なくないと思います。

 

私はここ2年ほど、ほぼ毎日更新でPodcastを配信していますが、そのリスナーさんからも、そんな起業でのお悩みについてご相談頂きました。

 

久野さんこんにちは、RNペンギンと申します。いつもPodcastを拝聴しています。私は駆け出しのフリーランスなのですが、あまり身近に相談できる人がおらず、仕事での人間関係について聞いていただけたらとマシュマロさせていただきました。起業応援系セミナーに参加した際、講師の方が気に掛けてくださり、何度か仕事をくれました。最初は駆け出しなので何でもやるつもりで受けてしまいましたが、次第に相手の考え方、思想が自分と合わず消耗してしまうこと、仕事内容が最終的に自分がやりたい方向性とずれがあること。これは考えすぎかもしれませんが、SNSなどの投稿で自分に宛てたような苦言があり、気分が滅入ってしまうこと、以上のようなことを感じ始め、穏便にフェードアウトできたらどんなに楽かと考えてしまいます。しかし、繋がりもあり慎重になること、今は修行と思って何でもやるべきなのか、お世話になったのに恩知らずかなと悩んでいます。フリーランスの仕事の選び方、1人仕事で気が滅入ったときの切り替え方、気合の言葉などいただけますと大変嬉しいです。それでは長文になり大変失礼しました。季節の変わり目、お体ご自愛くださいませ

▲「RNペンギンと申します」の後のペンギンの絵文字…かわいい…!

 

いやぁ、ご相談いただけて嬉しいです、ペンギンさん。
私も起業したときに同じようなことで悩んでいましたので、こういう相談に回答できるようになったことが本当に嬉しい!

 

起業や集客のノウハウを教えてくれるところはたくさんあると思います。

けど、仕事の発注者との関係性、そしてどのような仕事を請けていくのか、という問題には全員に共通する明確な正解があるわけではないので、どこにも相談できなくて苦しいですよね。

 

そもそもこの問題って、人間関係なので、起業関連の専門家に聞いたところで有益なアドバイスは得られないだろうな、って思います。
それより、コミュニケーションの専門家である心理カウンセラーのほうが、こういった問題に対する対処法には詳しいはず。

 

for*styleパーソナルスタイリストスクール(FPSS)の最終コース「開業講座」で心理学と集客・ビジネス企画を一緒に学んでもらうのも、起業は結局は人とのコミュニケーションで、心理学が切っても切れないから、なんです。



今回この記事では、私の経験と公認心理師としての知識をベースに、この問題について解決のヒントをお伝えしていきたいと思います。

 

この内容は以下のPodcastでも聞くことができます。

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まず、発注者側が上下関係を無意識に持ち込んでくる…まぁ、意識的に持ち込んできたらもっとまずいんですけど、そういう発注者からは基本的には受注を受けないほうがいいと思うんです。

この講師の方にそういうフシがなかったか、慎重に見る必要がありますね。

 

講師の方がペンギンさんに発注をして、ペンギンさんと上下関係を作ることで、発注を有利にしていなかったか? ということです。

仕事ってどうしても受注する側が弱くなってしまいがちなんですけど、実際は純然たる等価交換なはずですよね。

発注側がお金を払う。受注側はそれに見合った物やサービスを渡す、っていう。

 

等価交換ですから、あくまでフェアな関係性であるべき。
私も
FPSSの卒業生に仕事を依頼することがあるんですけど、できるだけ上下関係を持ち込まないように気を遣っています。
…これを読んだ卒業生でそれを感じた人がいたら気軽に言ってほしい(笑)

 

もちろん仕事をくださったことはすごくありがたいことで、感謝すべきこと。

でも、それに見合ったものを返しているのであれば、「ありがたく思う」っていうのは、こちら側のプラスアルファの気持ちなんですよ。
発注者側から強制されるようなことではないですよね。

 

あと、「今は修行と思って何でもやるべきなのか」ってね…。
起業当初は、この発想にもなりがち。私も起業1〜2年目にはこういう発想に陥りがちになりました。

 

これは、人の中に「努力すれば報われる」って思いたい性質があるからなんですよね。

 

なぜかというと、そもそも努力するのは少なからず辛いからです。
エネルギーを消耗することは生物ならすべからく避けたい。
でも努力しなければいけないこともある。

ならば「その先に良いことがあるんだ!」って思いたいんです。

 

これが転ずると、「努力しなければ良いことがないのでは」という考えに至ります。
そうすると、変な発注を受けても「この辛さを乗り越えなければならない」と自らに課して頑張ってしまうようになります。

 

しかし現実には、どんな努力でもやれば報われるわけではありません。

自分の方向性とずれているような内容の仕事をいくら頑張っても、そこで得られた知識が後々に使えないなら意味はないし、消耗するだけです。

 

その時間を、自分に合う仕事をくれそうな人との関係性構築に使ったり、小さい仕事でも大きくなっていけば自分を活かせる仕事になる!と思うものに力を注いだ方が、成果は得やすいでしょう。

 

フリーランスは“限られた時間をどこに使うのか”ってことにかなり敏感になるべきです。
「この方向性は違うな」って思っているものに、時間も労力も心も持っていかれてる状態は、次に繋げるアクションを起こせなくなるって意味でも危険。

 

頑張るべきところとそうでないところを、客観的に見極める力が、フリーランスにはすごく必要なんですよね。
そういうことを全部自分で決めなければいけない。
決断だけがフリーランスの人生だと言ってもいいぐらい。

 

ですから、苦言も、“聞くべきもの”と“聞かなくていいもの”の区別が必要です。

 

例えばこの講師の方から、「SNSなどの投稿で自分に宛てたような苦言」があったってことなんですが、“自分のターゲットとしたいお客様”から“やりたい仕事の内容”について、“正当に告げられた苦言”には、真摯に耳を傾けて改善すべきでしょう。

 

でも、自分のターゲットではない人から苦言をもらったとしても、それはその人向けに仕事をしてないので、その人にとってしっくりくる仕事じゃないのは当然で。
ターゲットにしていない人からの、自分のジャンルの仕事じゃないことへの苦言を聞きすぎちゃうとおかしなことになっちゃいますよね。

 

また、正当な苦言でないものも、あまり聞かなくていいんじゃないかなと思うんですね。
正当な、というのは、いわゆる「陰口」的なやつのことです。

 

SNSで投稿するなんていうのは、まさしく陰口。

本人に真正面から言うリスクを避けつつも、ペンギンさんが察して私の機嫌が良くなるようにやれよ、っていうことですよね……?
苦言の呈し方としてどうかと思うんです。その時点で真正面からフェアに付き合えない相手だと考えて、今後の付き合いを見直した方がいいんじゃないかなと思うんですよ。

 

フリーランスで「この仕事を取らなきゃ」って気持ちになるのもすごくわかるんですが、同じぐらい大事なのが、“仕事を断る覚悟”というか、思い切り。

 

もちろん、断るときにわざわざ相手に悪い気持ちを抱かせることはないわけで、「とてもありがたいんだけど、教えてくださったおかげで、他の方からもいろんなお仕事をいただいて、忙しくなってしまったのでちょっと請けられません」とかね。

角が立たない断り方はあると思うんです。

 

基本的には「今は受けられませんが、また機会があったらお願いします」っていう断り方が一番使いやすい断り方ではないでしょうか。

この言い方なら、断ったとしても縁が切れるわけではないし、もしそれで仕事がなくなって「あの時受けていたらよかった」って思ったら、もう1回営業に行けばいいんだし。

1回断ってみてダメだったら考えを改める、っていうぐらいでもいいんじゃないかなと思いますよ。

 

頑張ってくださいね! 




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