ビジネスでも婚活でも結構多い!似合う服を着ているのに初対面で損してしまう人は「期待値コントロール」が下手

ビジネスや婚活に悪影響を及ぼす「似合う服を着ているのに初対面で損してしまう」現象とは?

 

こんばんは!
パーソナルスタイリスト・服装心理カウンセラーの久野梨沙(@RisaHisano)です。
ファッションで人の心を知り、動かす「服装心理学®」を活用した個人向けスタイリングやスタイリスト育成、講演活動などを行っています。

第一印象ではギャップを狙った方がいいって本当?

ビジネスでも婚活でも結構多い!似合う服を着ているのに初対面で損してしまう人は「期待値コントロール」が下手

「第一印象と次に会ったときの印象にギャップがあった方が良い」なんて聞いたことはありませんか?

 

この言葉が巷に広く広がっているせいか、お客様からも

「婚活してるんですけど初対面の印象を良くしすぎない方がいいですか?」

とか

「集客用のプロフィール写真をあえて取っつきにくい感じにした方がいいんでしょうか?」

なんて質問を受けることがよくあります。

 

この「ギャップを狙う」ということに関しては、結論から言うと私はあまりお勧めしていません。

なぜかと言うと、良い意味でのギャップを作るというのは非常に難しく、リスクの方が多すぎるからです。

 

人間というのは、見た目で相手のことをある程度勝手に判断し、勝手に期待を抱くものです。

「優しそうな人だから、私の話をじっくり聞いてくれるに違いない」

とか

「頼りがいがありそうだから、相談したら解決してくれそう」

などなど・・・。

 

そしてこういった判断はほとんど無意識下で行われているので、相手に対して期待を持たないで下さいとお願いする方が難しい話です。

皆さんだって、どこか見知らぬ土地で道を聞こうと思ったら優しく説明してくれそうな人で選んで声をかけますよね。そしてそれはほぼ無意識にやっていることのはずです。

 

ギャップを狙うときに直面する大きなリスク

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さてこの無意識で抱いてしまった期待と現実が違ったとき、人間はどういう反応を示すでしょうか?

 

例えば「優しそうに見えたのに実はすごく冷たかった」とか「性格が良さそうだったのに実はすごく意地悪だった」といったように、実際の方が期待よりも明らかに悪い場合に裏切られたような気持ちになるのは、これは当然のことですよね。

でも、「すごく静かそうに見えたのに実は賑やかで明るい人だった」とか逆に「よく喋れりうに見えたのに実は人の話を聞く方だった」など、期待していたものと実際の姿のどちらが良いとは言い切れない場合にも、人間は自分の期待と違うものは低く評価してしまう傾向にあります。

 

そうなると、第一印象よりも実際の方が良く感じるようなギャップを演出するには、第一印象を明らかに悪くしておかなければならないということになりますよね。婚活系のコラムなんかでも「ゲインロス効果」なんていって、「初対面のときにはあえて印象悪くしてギャップを狙おう!」ということが書いてあったりします。

 

でもですね、みんながみんな忙しいこの現代社会。第一印象が悪い人と、続けて根気よく関わろうと思う人がどれだけいるでしょうか・・・? 婚活では「他にもっといい人を探そう」と思われるのがオチですし、ビジネスでも他にいくらでも代わりがいる、と思われてしまうかもしれません。

 

初対面でやるべきは「ギャップの演出」ではなく「期待値のコントロール」

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このスピード社会では瞬時に判断が下されてチャンスを逃してしまうことの方が多い。だからこそ、やっぱり私はできるだけ自分のいいところを第一印象でアピールするようにしましょう、と伝えています。それも過不足なくというのがポイント。特にやりすぎないということが非常に大事だと私は思っています。

 

これを私は期待値のコントロールと呼んでいます。

 

第一印象で一番やるべきなのは、自分を過度によく見せることではなく、相手が抱く期待値をコントロールすることです。

具体的には「期待の方向性は自分の良いところと同じ方向にしておきながら、抱かせる期待の量は実際よりも少し低めに抑えられるようにしておく」ということ。

 

例を挙げてみましょうか。

 

for*styleパーソナルスタイリストスクールの開業講座では、後半に毎回自分のプロフィール写真を撮る練習をしています。

 

Mさんは見た目には非常に優しく穏やかな雰囲気のあふれた女性なのですが、実は性格は非常にサバサバ系。合理的でロジカルな判断を下せるという資質を持っています。

 

さてMさんの場合、外見の印象をそのまま活かす形でスタイリングして写真を撮るとこんなイメージ。

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写真から受ける印象はどうでしょうか?

優しそう、なんでも聞いてくれそう、いつもニコニコしていそう、温かみがある・・・そんな感じでしょうか。

 

でも、これらの印象と実際のMさんの性格にはズレがあるわけです。

そのため、この写真を見た人が実際にMさんに会った時に「思ったよりズバズバ物を言う人だな」とかとか「思ったより冷たい人かも」といった印象を持たれてしまう危険性があります。

 

ですから、外見の印象をそのまま強調するのではなく、似合う範囲でクールな印象やきちんとした印象に振って写真を撮った方がメリットが大きいということになります。

ということで、Mさんが自己分析の中でそれに気づき、自分で学んだことを活かしてスタイリングしたのがこちらの写真です。

ビジネスでも婚活でも結構多い!似合う服を着ているのに初対面で損してしまう人は「期待値コントロール」が下手

どうでしょうか?

信頼できそう、落ち着いている、しっかりしていそう・・・そんな感じの印象に変わりましたよね。こんな風に1枚目と2枚目では抱く印象や期待の方向性が違うと思います。

これが期待値コントロールです。

 

大事な初対面のシーンでは、単に見栄えをよくすればいいというものではない

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相手に初めて見られるとき。それが写真を通じてであれ、直接対面するのであれ、単純に自分に似合う服を着たり外見的な特徴を最大限伸ばせばいいというものではないということがおわかりいただけたのではないでしょうか。

 

そうなると初対面のシーンでの服装を決めるときには、パーソナルカラー診断や体型診断といった外見に似合う服の診断をするだけでは足りません。

内面的な診断までしてくれて、自分の性格の良い面・悪い面を知っているスタイリストにプロデュースしてもらわなければ期待値のコントロールは難しく、狙ったように初対面の印象を与えることができないんです。

 

特に、美しいプロフィール写真がかえってズレた期待を集めてしまう危険性があることには、気づきにくいものです。

 

ちなみに私がパーソナルスタイリングの案件でプロデュースさせて頂く場合には、イメージに合ったカメラマン選びからロケーションまでセッティングします。カメラマンさんによって画質がかなり違うので、それでも印象は大きく変わりますからね・・・。どうぞご注意を!!

 

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久野梨沙 Risa Hisano

スタイリスト・服装心理カウンセラー久野梨沙

(株)フォースタイル代表取締役、(社)日本服装心理学協会代表理事。

大手アパレルメーカーで年間売上総額60億円に上るアパレル商品を手掛けた経験と、 心理カウンセラーとしての知識を活かし、独自の「服装心理学に基づくパーソナルスタイリング」を生み出しました。
All Aboutファッションガイドなどファッションライター、セミナー講師としても活躍中。

プライベートでは2016年生まれの男児を育てる1児の母。

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