コーデの知識_2

こんばんは!
パーソナルスタイリスト・服装心理カウンセラーの久野梨沙(@RisaHisano)です。
ファッションで人の心を知り、動かす「服装心理学®」を活用した個人向けスタイリングやスタイリスト育成、講演活動などを行っています。

 

本日、J-WAVEの朝の情報番組「TOKYO MORNING RADIO」に出演させて頂きました。
東京近郊のエリアのみの放送となりましたが、聴いて下さった方、ありがとうございました!

今回もトレンドキーワードの解説でしたが、今回取り上げたワードは「Normcore(ノームコア)」。

この言葉、じわりじわりと日本でも広がってきていますがちょっと勘違いして解釈されていることも多いようです。
そこで改めて、本来の言葉の意味から確認してみましょう。

ノームコアってどういう意味?

Normcore(ノームコア)とは、norm(normalの略)=「標準」、Hardcore=「ハードコア」を組み合わせた造語で「究極の普通」「とにかく普通」「普通中の普通」といった意味合いです。

ニューヨークにあるトレンド予測グループK-HOLEが提唱した概念で、「自分が70億分の1であることを自覚した人のための服装」と定義。

ファッションで個性を追求することに疲れた人々が、逆に普通の格好をし始めたことを分析して「ノームコア」と名付けたのが始まりでした。

じゃあ「普通の服装」ってなんだ??

「勘違いノームコア」でただのダサい人にならないために

訳語が「究極の普通」となってしまったのでUNIQLOに代表されるような、
ごくシンプルなカジュアルファッションがノームコアである
と日本では思われてしまっているのですが、本来は、

「集団に埋もれてしまうような服」
「周りと同一化するための服」

という意味なんですよね。

自分がいる環境によって「普通」も異なりますから、必ずしもシンプルなカジュアルが「ノームコア」とは言えなくなります。

サラリーマンで溢れる新橋では紺のスーツに白いシャツ、紺のネクタイが「ノームコア」でしょうし

大学のキャンパスでは、男性はダンガリーシャツにチノパン、女性はボーダーカットソーにフレアスカート、トレンチコートを着ていれば「ノームコア」でしょう。

 

そう考えると、日本人はそもそも「ファッションで目立とう」と考える人より「人に遅れをとらないファッションにしよう」「TPOをわきまえた服を着よう」と考える人が圧倒的に多いため、もともと「ノームコアが基本な国」といってもいいかもしれません。

 

実はノームコアにも2種類あるんです

さて、そんなノームコアですが、代表としてよく挙げられるのはAppleの共同創業者である故スティーブ・ジョブズのスタイルです。

来る日も来る日も黒のタートルネックとジーンズ、スニーカーというスタイルを貫き続けたスティーブですが、でもこのスタイル、「おしゃれに疲れたから」選んだわけではなく毎朝洋服を考えなくてすむようにするため、ともいわれています。

あまりに忙しく、ファッションのことを考える頭のスペースすらもったいない、という感じでしょうか。

 

そうなると、ノームコアには

 

人とは違うファッションを追求するのに疲れ、逆に周りと調和するファッションをしたくなった・・・という本来のノームコア

 

ファッションにかける手間や時間を削減するためシンプルなスタイルを固定化してしまうというノームコア

 

の2種類が存在する、と考えられますね。

後者は、本来の意味でのノームコアではないということがわかります。

 

ノームコアを単に真似するだけだと、なぜダサく見えてしまうのか?

「勘違いノームコア」でただのダサい人にならないために

「周りと同じような服装がトレンドだっていうなら、『ノームコア』やってみたい!」

そう思っている方には、ここからがいよいよ本題。

 

このノームコア、ニューヨークのお手本スタイルを真似するだけでは

ただのダサい格好に見えてしまう可能性大。

それはなぜかというと・・・

 

1.日本人体型のハンデが大きい!!

洋服ってそもそも手足が長く、骨格に厚みがあり、体型にメリハリがあるという欧米人のための服。
日本人の体型を美しく見せる形はしていないわけです。

それを何の工夫もなく着たところで、欧米人のようにかっこよく決まるはずは・・・・残念ながらありません。

ですから、周りと同一化できるようなデザインを選んだとしても自分の脚を少しでも長く見せるように、とかほっそり見えるように、といった着こなしの工夫がどうしても必要になります。

 

2.おしゃれな人とはファッションの基礎力が違う!!

「ファッションを追求するのに疲れた」人がノームコアを選んでいます。

追求するのに疲れるくらいですから、ノームコアにたどり着く前にはたくさんの洋服を着て、様々なデザインに挑戦しているはず。

その間に培われた素材を見る目や、自分の体型に合った形を見抜く目というのは、ノームコアスタイルでも知らず知らずのうちに活かされているものなんですよね。

なので、何のファッション知識も無く、ただ上辺を真似しただけではやっぱりかっこよく見せるのは難しいでしょう。

 

日本人の嗜好には合う「ノームコア」。
でも着こなすにはそれなりのスキルが必要!

・・・というのが、結論です。

周りから飛び抜けて目立つ必要はありません。
その場の環境になじんで、でもなんとなく素敵に見える服。

それって、日本人なら元々目指しているおしゃれの形なんじゃないでしょうか?

それにはやっぱり、自分に似合う服を選ぶ目とかちょっとした着こなしのコツが必要なんですよね。

 

普通だけど、なぜか素敵に見える服。
そんな誰もが憧れる「ノームコア」ができるかどうかは、自分の似合うものを知っているかどうかが大きく影響する、ということです。

 

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