ヒーロー不在の時代のスター・ウォーズ

 

こんばんは!
パーソナルスタイリスト・服装心理カウンセラーの久野梨沙です。

突然ですが私、人生で初めて見た映画はスター・ウォーズのスピンオフ映画「エンドア/魔法の妖精」です。
そんなこともあり、今ではすっかり無類のスター・ウォーズ好きでして。
SF全般好きなんですが、スター・ウォーズはそりゃあもう別格です。

というわけで、胃腸炎が治ってまだ間もないというのに、先日しっかり4DXで見てきましたよ、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」!!!(チケット予約してたので死ぬ気で行った)
ネタバレはなるべくしないようにしますが、何をネタバレと感じられるかは人それぞれですので、未見の方、少しも本作に関する情報を目にしたくない、という方は他の記事をご覧下さいませ。

いいですか?大丈夫?
では行きます。

 

「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」、旧作ファンは大激怒・新作ファンは大絶賛

本作、はっきりきっぱり賛否両論ですね。
私もここ数日のレビューをざざざざーーっと見てみましたが、旧作からのファンは否定的、一昨年新三部作から公開されてから好きになった方は大絶賛、という感じに見えました。

本作の内容は旧三部作と呼ばれる1977〜1983年に公開されたオリジナルストーリーのヒーローに完全に引導を渡すものになっていますので、そのことが旧作のファンが否定的な反応を示した理由だろう、と分析する人も多いようです。
何せ一昨年の「フォースの覚醒」が旧作ファン大歓喜!なサービス満点の仕上がりでしたからね。

 

スター・ウォーズ旧作ファンが怒っているのは、キャストの代替わりが原因じゃない!

では、筋金入りの旧三部作ファンの私はどうだったかというと、見終わった後、見事に自分の感情が賛否にまっぷたつに分かれて葛藤しておりました。
でも、否定的な感情の理由をあれこれ考えてみても、決して「旧三部作のメインキャストから、新作のキャストに代替わりしたからだ」っていう理由じゃなかったんですよね。

むしろ、新作のキャストがメインになっていくことは喜ばしく感じたんです。
そこは好きなところだった。

ではこの胸のモヤモヤは何・・・・?
と考えていくと、賛否の理由が何となく見えてきました。

 

評価の分かれ目は「旧作vs新作」ではなく、「整合性vs主義主張」

結論から言うと、この作品に対して「ぜんっぜんだめ!!!」って怒っている人は恐らく、脚本やストーリーの筋が通っているか、あらゆる出来事に整合性がとれているかを重視するタイプだと思います。

で、「最高だった!新しいスター・ウォーズがいよいよ幕開けだ!!!」って拍手喝采な人は、細かいことよりも「監督の主義主張」を重視するタイプなんじゃないか、と。

 

というのも、よくよく今回の内容を振り返ってみると、結構話の筋が破綻しているところが結構多いんですよね。
宇宙の重力が無視されている場面もあったり、「そもそもフォースでそんなことまでできちゃったら、旧作との整合性取れない・・・」っていう出来事があったりね。

あげく、まるまる1時間分くらい、なくなってもストーリー進行に特段影響しない・・・どころか、なくしちゃった方がいいんじゃないか的なパートまであります。

 

だから、ストーリーを重視するタイプはイライラするのもやむなし、と思う。で、旧作はそのあたりとってもしっかり出来ていたから、旧作ファンって整合性大事にする人多いんじゃないかな。

その点で、私も見ながら「え?あれ?これ大丈夫?」って思ってしまったのは事実。
でも最終的に「まぁいいかこれはこれで」とも思ってしまったのは、次の理由からです。

新しいスター・ウォーズに感じる絶対的なヒーローは作らない、という強い意志

私の見終わったときの第一声的な感想が、「なんか、すごい今っぽい・・・」だったんです。
どこに「今っぽさ」を感じたかというと、絶対的なヒーローが不在である、という点。

特別な生まれや背景を持つ、選ばれし者が強大な敵を倒していくんじゃなくて、
各自がそれぞれできることをやって、結果として敵を倒すことを目指していく物語。
かつてのヒーローでさえヒーロー的でない部分が暴かれて、ダメ人間に見えてくる描写さえあります。

なぜヒーローが生まれ得ないかというと、善と悪が非常に曖昧だからです。
見る方向によって、善と悪は簡単に入れ替わります。
「フォースの覚醒」で、ストームトルーパーの装甲服の下に血の通った、悩める人間がいることを描いた新シリーズでは、もはや帝国軍にいる全員を絶対的な悪としてみることは不可能です。
そんな彼らたちを倒す人を、拍手喝采で「ヒーロー」として受け入れられますか?

そしてそれは現実世界でもそうで。
今まで一元的にしかものを見せないメディアしかなかったのが、多面的に見ることが出来るインターネットやSNSが発達したことで、こうも色々なことが「善」と「悪」に割り切れないことを私たちは痛感させられています。

 

もう絶対的なヒーローがいた時代には戻れない。

 

それを描きたいんだ!!!っていう意気込みはすごく伝わってきて、なんかそれを考えると多少の整合性のなさは・・・まぁいいかなって思っちゃう部分もあったんですよね・・・

 

特別じゃない人たちが紡ぐ新しいトリロジー

まぁダースベイダーだって元はジェダイだったわけですし、善悪の入れ替わりみたいなものは旧三部作でも描かれていたんですが、新シリーズはそれをもう一歩押し進めたというか、そもそも善悪って判断できるもの?って問いかけてくるというか。
そして誰一人として特別な人や完璧な人がいない!!むしろちょっと抜けてる人ばっかり!!!

昨年公開のスピンオフ「ローグ・ワン」も特別な人がいない物語でしたが、その世界観を本作にもここまで色濃く持ってくるとは。

でもこの方が、新しいファンは増えるだろうなー。
若者はこっちのスター・ウォーズのほうが好きになるだろうなー。

 

そう思うからこそ、私の心は千々に乱れつつも、大きな方向性としては「アリ」という結論に達しました。
だって新しいファンが増えてくれた方が、語れる相手が増えて嬉しいもの!!!

 

そして、「最後のジェダイ」を見終わった後、「『正しさ』を発信するだけはもう古いな」と感じ、ブログにつらつらと自分の気持ちを書くことを再開しよう、と思い至りました。
最近の更新頻度が増えているのはそんな理由です。
これも推敲せずにアップしちゃおう!

 

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久野梨沙 Risa Hisano

スタイリスト・服装心理カウンセラー久野梨沙

(株)フォースタイル代表取締役、(社)日本服装心理学協会代表理事。

大手アパレルメーカーで年間売上総額60億円に上るアパレル商品を手掛けた経験と、 心理カウンセラーとしての知識を活かし、独自の「服装心理学に基づくパーソナルスタイリング」を生み出しました。
All Aboutファッションガイドなどファッションライター、セミナー講師としても活躍中。

プライベートでは2016年生まれの男児を育てる1児の母。

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